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愛之助さんだ!中車さんだ!大阪松竹座の壽初春大歌舞伎に行ってきました。 [文化芸術]

sugaです。

お誘いをいただいて、大阪松竹座で開催の「壽初春大歌舞伎」の夜の部を観に行ってきました。

先代の市川猿之助さんのスーパー歌舞伎はみたことありますが、歌舞伎は今回が初めて。

演目は、

【帯屋】
【研辰の討たれ】
【芝浜革財布】

の三本立てでした。

何でもインターネットで調べられる時代だから、歌舞伎のことや演目のことを詳しく勉強してから行こうか考えたものの、結局やめました。

先入観が強くなって「初めて」で無知だからこその、新鮮な驚きや感動が薄れるのは嫌だったから。

年齢を重ねると、初めての体験を持てることって貴重な機会ですもんね。

まっさらな状態で、チラシに書いてあるあらすじだけを頭に入れて、行ってみることに。

連れて行ってくださった方はよく行かれているので、最低限のことは教えてもらえるから充分です。

観る前の印象としては、お正月の公演なのに3演目中2演目が悲しいお話なんだなと。

【帯屋】は悲劇だし、【研辰の討たれ】は敵討ちだし。

今恋愛の話題でワイドショーを賑わしていらっしゃる片岡愛之助さんが出られているのも楽しみで。

愛之助さんの歌舞伎は、テレビ番組の中でちらっと映る程度にしか知りませんが、その名前が広く一般的に知られるきっかけとなったドラマ「半沢直樹」をリアルタイムで見ていて、個性の際立った演技をされる方だと注目していました。

年齢を重ねてから梨園入りした市川中車さんこと香川照之さんも出演されるので、テレビや映画で活躍する俳優のかたわら歌舞伎役者になった中車さんの演技も気になります。
(香川さんも大和田常務役で「半沢直樹」に出られていましたね。)

夕方16時開演だから、15時半には近鉄難波駅について、高島屋で休憩の間に食べるお弁当を買おうということに。

お!それって幕が降りる休憩時間中の「幕間」に食べるお弁当ということから言葉の語源になったという説がある「幕の内弁当」を食べるってことかとワクワク。

高島屋のデパ地下をぐるっと周り、まつおかの牛しぐれ弁当をゲット。2段になっていてボリュームたっぷりのお弁当です。

お弁当をゲットしたら、大阪松竹座の中に。
エスカレーターで上の階に上がると、開演前にすでにご飯を食べている人たちの、もわっとした食べ物のにおいが充満していて、まだ16時前なのにすごいなあとびっくり。

お席は2階の前の方で、舞台の全体がよく見渡せそうでほっと一安心。定刻開始で【帯屋】が始まります。

初めてみた歌舞伎の印象と【帯屋】の感想は、、

〈良かったこと〉

・国語の古典が得意だったからか思っていた以上に会話の内容が分かる
 …音声ガイドをかりてあげようかと言われたけど、まずは雰囲気をまるごと感じたいと断ってよかった。ガイドがあると聞くことに神経がもっていかれそうで嫌だったから。

・物語がおもしろく共感できる
 …お笑いの要素も多くて、なんだか吉本新喜劇みたいでした。演目のこともあるだろうけど、現代の役者さんが演じることの親近感もあるのでしょうか。物語にも登場人物にも、身近によくあるような要素が多く共感できる部分が多かったです。

・衣装が美しい
 …物語を盛り上げる、登場人物の人間性をより際立たせるような衣装で、とりわけ中村壱太郎さんが丁稚長吉と一人二役で演じられた、信濃屋娘お半の紫の衣装が美しかったです。

・片岡愛之助さんが大活躍
 …よく通る声に、目をひく動作。お芝居もコミカルで卑怯な役がお上手でした。あまりに目立つので他の人がかすんでしまい、バランスが悪いのは今回の役者陣の中では仕方が無いことだったのでしょうか。

〈残念だったこと〉

・年配の役者さん方が声が小さく、ほとんど内容が聞き取れない
 …2階ですら内容が聞き取れなかったので、3階は声すら届いていない可能性がありますよね。

・演目が始まっても、観客のおしゃべりがなかなかおさまらない
 …コンサート、ミュージカル、演劇等をよく観に行きますが、始まっているのになかなか話し声がおさまらないというのは初めてでした。

ここで、20分の休憩があり、お弁当をひろげて食べる方がたくさん。
連れていってくださった方の「次の休憩の方が長いから次に食べよう」の言葉で、わたしたちは次の休憩のときに。

会場はいろんな種類の食べ物が混ざり合ったにおいが充満し、演目の合間にお席でものを食べている空間を初めて体験したので不思議な気分でした。

つづいて【研辰の討たれ】がスタート。

守山辰次役の愛之助さんはやはり大活躍。臆病で口が達者で町人あがりのずる賢いお侍の役で観客をひきつけます。

動きの大きいテンポ感のあるお芝居に、会場は笑い声があふれ、あたたかい雰囲気につつまれました。

だまし討ちにあった父平井市郎右衛門の敵である辰次を追う長男平井九市郎役の中車さんは、よく声は通るし演技は悪くないものの、発声が他の役者さんと違う雰囲気でした。歌舞伎の特有のものがないというか。

【帯屋】とは違って現代的な演目だったので、時代劇のようでより親しみやすかったです。

ただ、最後のオチが、、脚本・演出共にちょっと物足りなかった。

おもしろポイントとして、百舌の声が聞こえるシーンで中車さんが「百舌」というセリフを言われたとき、会場の一部の方からクスクスと笑い声が。

みなさん、あんなにこわいドラマなのにMOZUをみていらっしゃるのですね。
(2016年1月現在も、公式ウェブサイトによるとまだ映画は上映中だそうです。)

ここで、30分間の休憩。ちょうどお腹がすく時間。お弁当をいただき、最後の演目の開始を待ちます。

いよいよ最後は【芝浜革財布】です。

中車さん演じる酒のみで怠け者の魚屋政五郎と、中村扇雀さん演じる良く出来た妻おたつの心あたたまる物語。
内助の功によってすっかり生まれ変わった政五郎が、最後には人助けまでするというお正月らしく明るいお話に、獅子舞の登場で舞台がさらに華やかに。

中車さんと扇雀さんの夫婦のかけあいは、長年連れ添った夫婦の雰囲気が伝わってくる素敵な演技でした。

初めて行った歌舞伎はなかなかに楽しく、ジャンルを問わず文化芸術が好きで、特に臨場感たっぷりの「生」が好きなわたしははまってしまいそうです。

次はどんな俳優さんが出るどんな演目を観ようかと今から楽しみです。少しずつ歌舞伎について知っていきたいな。

素晴らしい機会をいただき、誘ってもらえてよかった。

帰りはなんばパークスにある英國屋で、シフォンケーキとブレンドコーヒーを。

ふんわりチョコとあっさりクリームの甘いケーキと、おかわり自由の強めのコーヒーで、濃厚な大阪の夜は楽しさを増して、なんだか帰りがたかったです。

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